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エッセイ
ああ言えばこう言え!
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ああ言えばこう言え!その40

 私はファッションにはかなり鈍感である。いや、本当はかなり鈍感というレベル以下かもしれない。裸でいて軽犯罪法に抵触するくらいなら、とりあえず何かしらの衣服を身に付けていれば良いという、その程度のレベルだから、いつも家族にはしかられる始末である。
 ところで、最近の若い女性のファッションについて、その変化の速さにはずいぶん驚かされる。少し前に流行した生足ファッションは廃れ、今や柄物の黒のストッキングが流行しているとのこと。そういえば、様ざまな柄に包まれた、これまた様ざまな足が巷を闊歩しているようである。
 しかし、なかには身の程知らずと思える足さえも目に映るから驚きである。一定の基準をはるかに超えた太さの足は、本人には申し訳ないが、柄物の黒など止めておくべきではないかと、つい忠告したくなってしまう。確かに勇気そのものには敬意を表したい。いや、そうすべきであろう。しかし、見るものにとって、柄の大きな変化には耐えることはできない。なぜなら、可愛い蝶が大きく羽根を広げたモスラへと変身してしまっているからである。
 それでも、若い女性のファッションは止まらない。男性である私も、その感覚について少しは見習わなければならないのかもしれない。

甲山羊二
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