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エッセイ
ああ言えばこう言え!
目次
ああ言えばこう言え!Ⅱその23
僕は滅多なことでは怒らない。いつも怒っているようだとよく言われるが、そういう御方は人間修行がまだまだ足りていない。悟りの域にまで達すれば、僕の人間的本質がしっかり見えてくるに違いない。大いに期待したいと思う。
僕が目くじらを立てて相手を罵倒する時は、実は極めて安全な局面だ。はっきりいって、あれは簡明なパフォーマンス他ならない。僕が本気で怒ると、目くじらも立てないし、罵倒もしない。ただひたすら黙殺する。相手はそれで油断する。そして僕は心の中で徹底的にこき下ろす。いや、徹底的に蔑む。でも相手は全く気が付かない。その果てしない愚かさをまた蔑む。そうして愚かさははさらに露呈されていくのだ。
公共機関等で卑劣かつ愚劣な振る舞いをさらけ出す輩に対しても同じだ。いちいち相手にしない。奴らはゴミだと思えば気にならない。一体全体、ゴミに向かって怒りを爆発させる人間がいるだろうか。いや、いるかもしれない。きっとそれらもまた輩の一派だ。つまりはゴミだ。それらをひとまとめにして、やはり心で蔑む。もちろん笑みなど一切浮かべない。ゴミに向かって微笑む人間がいるだろうか。そんな奴は絶対にいないと僕は信じたい。
精神衛生は自分でコントロールする。健康で文化的な生活もまた自らが創造し、そうして具体的に構築していく。危機管理は天災に対してだけではない。何時でも何処でも必要不可欠なものだ。
甲山羊二
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