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エッセイ
ああ言えばこう言え!
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ああ言えばこう言え!Ⅱその24

 マトリ氏といえば「日本的馬鹿者行動学」である。はたまた「日本的馬鹿者行動学」とくれば、何たってマトリ氏ということになる。
 あらかじめ記しておくが、あくまでも訳者はこの僕だ。この本のおかげで、僕のもうひとつの才能が発揮できたことは大変良かったと思う。しかし、僕による僕自身の小説よりも評価が高かったことは、ただただ複雑としか言いようがない。だから金輪際マトリ氏からの依頼は断るつもりだった。とにかくそういうはずだった。しかし気が付けばまた訳していた。マトリ氏に惚れ込んだのは他でもなかった。実はこの僕だった。これは偽らない。いや決して偽ってはならないことだと思う。
 今夏(実は予定では今春のはずだったのだが)、再びあのマトリ本が出版される。教育者でもある彼。その彼が直接或いは間接に経験した日本の教育の問題点が、今回の中心的中身となっている。教育問題、こと学校問題を鋭く突く。いやいや抉るといった方が適切だ。はっきり言う。これは実に面白い。だがしかし、マトリ氏は次のように斬り込む。
 現場に多く生息する寄生虫教師にはちっとも面白くないだろう。それにだ。毎年毎年同じことを繰り返すだけのボンクラ教師は全くもって腹立たしく感じるだろう。さらにだ。組織にどっぷりたっぷり浸かった給料泥棒かつ税金大盗人教師などは殺意さえ抱く可能性もある。さらにさらにだ。専門性も指導力もない馬鹿丸出しで、しかもことあるごとに部活に逃避する空っぽ教師などによる集団テロの可能性も捨てきれない。なぜか。それが事実だからだ。そしてそれが真実だからだ。図星とはこういうことに他ならないのだとマトリ氏は訴える。今回もマトリ節は止まらない。
 マトリ氏の新著書。
 甲山羊二訳による。
 僕の専用レーベルのまきば出版からの刊行だ。
甲山羊二

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