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エッセイ
ああ言えばこう言え!
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ああ言えばこう言え!Ⅱその19

 最近はとんと映画からご無沙汰している。もちろん出演ではなく、あくまでも鑑賞オンリーだ。いつかは観るだろうと買っておいたDVDも、セロハンに包まれたまま、専用ボックスで眠り続けている。
 僕の映画についての守備範囲はかなり広い。喜劇王チャップリンからエマニエルシリーズ、さらには任侠物からロマンポルノまで、はたまた邦画洋画を問うこともない。
 例えば、「透明人間」は甲山推奨作品のひとつだし、イランの「友達の家はどこ」も是非推薦したい作品だ。
 日本なら、「縄と肌」などの団鬼六の世界観はできるだけ早いうちに知っておいた方がいいだろう。ロマンポルノなら、白川和子に団地妻の宮下順子、東てる美にもずいぶんお世話になったし、幼な妻役の関根恵子もこれまた良かった。それに、大谷直子だって忘れちゃいけない。妖艶で可愛らしく、そして美しかった。もちろん演技も素晴らしい。ああいう女優が今は本当に少なくなった。
 とにもかくにもだ。落ち着いて映画を観る時間が欲しい。映画館もいいけれど、自宅でくつろぎながらの方がやっぱりいい。何たってビールも飲めるし、トイレにだって遠慮なく飛び込める。一時停止や、コマ送りも自由自在だ。誰も何も言わない。いや、言わせない。
 甲山流映画鑑賞。それは気を遣わないなかでの映画鑑賞をいう。これが精神衛生上一番いい。
甲山羊二

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