作家稼業などを長くやっていると、時々全くもってだらしのない批評というやつに出会うことがある…
それも同じ稼業の人間がよこすものだから実になかなか興味深い…
どんな批評もする側は勝手である
電話であろうと、手紙であろうと、とにかく批評は勝手になされる
「僕がいうだらしのない批評とは、自分で自分の価値を貶めるタイプのものである」
読み手には作品の好き嫌いがある
だから僕の作品についてもファンもいればアンチもいる
極めて厄介なのは同業者が自分の価値を押し付けてくる時である…
限りなく透明に近いアホとしか言いようがない
そういうタイプに限って、何も反論されないことに、一抹の不安を覚えるらしい
必ず弁明の機会をこしらえてくるのだ
ところでそういう輩はだいたいどこにでもいらしゃる
僕は並行して先生業というものもしているが、ここにも砂利のごとくおいでになられる
こういう先生に教わる生徒は哀れである
そこには創造性の欠片もない
僕は他人の作品をむやみに批評などしない
どの作品にも味がある
そして書き手の思いがある…
味もなければ、思いもない…
価値のない批評を繰り返す人間の作品にはこれらが充満している…
もはや批評以前の問題である |