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甲山羊二オフィシャルブログ
Writing by 甲山羊二
 オフィシャルページにある奥の部屋で、コラムでもなく、エッセイでもなく、もちろん小説でもない、ただのつぶやきをほんの少しだけ形にしようとする。
 僕がつぶやくことで僕自身が導かれ癒され納得する。
 それもいい。
 さすが典型的B型人間甲山羊二だ。
 だからいい。やはりいい。


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視点人物
合評会でしばしば取り上げられるのが小説における視点人物である

視点人物は固定されなければならない
それもひとりだけに集約すべきである
これが御方のもっぱらのご意見である

ところが僕はそうは考えない
視点人物は場面において転換可能である
これが僕の考えである
そしてそのことを実際に幾つかの作品で実践している

演劇の舞台でも幕によって支柱となる人物は転換する
実際に舞台はそう構成されている

イギリスのジェフリー・アーチャーは視点人物の転換をよくやる作家として知られる
「ア・ラ・カルト」という短編ではそれが見事に発揮されている

旧い書き手はやはり旧い
残念系作家としかいいようがない
それとも勉強不足か
なるほど
2014-02-17 15:00:48[287]


契沖庵
僕が勤務する学校のすぐ側に鎌八幡というお寺がある
そこはいわゆる縁切り寺である
僕にも絶縁したいと心から願っている人間が数人いる
ただそうした人間のためにわざわざ祈祷料を払うなどというのは何とももったいない
だから自然死を待ち望むことで十分目的は達成される

話を元に戻そう

契沖という人物がいる…
江戸時代の国学者である

実はこの契沖の庵と墓が先の鎌八幡にあるということを最近知った
本居宣長から辿って賀茂真渕そして契沖

どのような場所に庵を結んだか
それもまた興味深い

ところが見学は禁止だという

理由はマナーの悪さが目立つからということらしい

縁切り祈願のお札を撮影してネットで流す
これに寺側もへきへきしているのだという

なるほど

そういう輩との縁切り
これは流石だ
祈祷も何も不要…

しかし見学不可とはやはりもったいない
2014-02-13 13:37:23[286]


イタリア
住んでみたい国はどこですか
最近こうした質問をされることがよくある

若い頃はイギリスに憧れた
アイルランドのダブリンへの留学を決めたのもそれに少しは関係がある

ドイツの郊外も良かった…

そして現在では何たってイタリアである

イギリスに始まり次にドイツさらにはイタリアとくれば…

なるほどなるほどなるほど日英同盟に日独伊三国軍事同盟
じゃあ次はアメリカに憧れることにしよう
これでようやく日米同盟に至ることになる

そんなことはいい

イタリアとくればミラノが一番だ

ローマも良いがちょいと治安が気になる

その点ミラノはとにかく安心
ミラノのオペラは最高である
しかも飽きることが全くない

大好きな須賀敦子に「ミラノ霧の風景」という作品がある
たしかにミラノの街には霧がよく似合う

イタリア人の知人に僕のミラノ移住計画を話すと、全部手配するから今すぐに来いと言われた
少々せっかちなところも僕に似て、ミラノ気質は実によく合うようだ

ただ問題は生活である
つまりはどう稼ぐかだ

これも心配無用だそうだ
お前は小説を書けばいい
それを俺が見事にイタリア語に訳してみせる
そう知人が僕に言った…

この丁度いい加減もまた素晴らしい

ミラノ移住

そんなこと考えてたらまたミラノに行きたくなってきた
2014-02-10 18:00:32[285]


半藤一利
こんな先生がいたら…
その先ずトップを飾るのが作家の半藤一利だ
失礼ながら敬称略で紹介させてもらいたい…

この人の歴史への洞察と推理力は見事である
自らを歴史探偵と呼んでいるがなるほどなるほど十分頷ける

さらに驚いたことに歴史への目が開くきっかけは坂口安吾との出会いにあるという
「あの戦争と日本人」を読むとその辺りのことが詳しく書かれている…

ちなみに僕の周りにも優秀な歴史の先生が少数おられる
あくまでも少数で数えるほどだ

ほとんどは教科書と指導書を必死で読んでいる
なかにはプリントの空欄さえ埋めれない先生も実在するから驚きだ

古い知識
そんなもので語られても興味もわかない

入試の日本史なんて参考書と問題集と過去問があればできる
本当に身に付けなければならないのは洞察と推理の力なのだ

それが備わる先生
なかなかいないなあ
2014-02-06 16:55:00[284]


三島由紀夫
三島由紀夫といえばその作品のなかで何を挙げるだろうか
金閣寺か潮騒かはたまた別の作品か…
ちなみに僕なら真っ先に憂国をあげる

金閣寺を題材にしたものなら水上勉の作品の方が僕はいい
三島作品は上手いが味が極めて乏しい
この作家は何かしらの義務感だけでかいたのかしらなどと時々思うことさえあるくらいだ

この間映画「11.25自決の日」を観た
それを機に西尾幹二の論文も取り出して読んでみた
そして僕は僕なりにいろいろ考えてみたりもした…
このことはまた別の機会に述べてみることにしよう

三島由紀夫といえば僕にとってもはや文学者ではない
彼は思想家である

思想家三島由紀夫
憂国にはその思想が十分みてとれる
2014-02-03 12:17:50[283]


ABBA
ABBAとくればダンシングクイーン
そしてダンシングクイーンとくればなんったてABBAである

この曲がヒットしたのは僕が中学1年生の頃
実はこれには相当に根深い思い出があるのだ

当時僕には彼女がいた
そしてそれも6人いた

二股ではない
それに二股なら三角関係という極めて厄介な状況をつくってしまう
ところが6人ならその心配は無用
場合によってはちょっと形の悪い円にもなりうる
形が悪くても円は円だ
そして円は円満の円だ
三角関係はいけないが円満関係は最も素晴らしい
以上これが当時の僕の理論である

今では円はめまいの原因になる…
寂しい三半規管になってしまった

ABBA
ダンシングクイーン

あの頃は僕は本当に若かったのだ
ああ
2014-02-01 12:59:21[282]


マンスフィールド
外国文学はまずは原書で読むこと
これは絶対に曲げられない僕のルールでもある

とはいってもロシア語は読めないし、フランス語やスペイン語なども得意ではない…
だからせめて英米文学だけでも原書で親しもう
そこでお薦めなのがキャサリン・マンスフィールドの短編小説である
マンスフィールドはその活動において短編のみを発表した
園遊会という作品はなかでも特に際立っている

人間を観る目
そして人間を動かす筆力

日本でいう太宰治の短編もなかなか素晴らしいものがある
ただ僕にとって残念なのが太宰はインテリでおぼちゃま的でその臭いがぷんぷんしていて時々やたらと鼻につく
実生活を切り売りするところは田山花袋とよく似ている…

それらに比べてマンスフィールドは極めて優雅である

病弱で私生活にもあまり恵まれなかった彼女
にもかかわらず作品の優雅さは際立っている

芸術家は基本としてこうであって欲しい
生活と作品の二元的様相

日本人は義理と人情に薄い割りにそれを芸術の世界に求めてその意識を共有したがるところがある…

共感も共有もくそくらえだ

だからマンスフィールドは安心できる
2014-01-30 14:10:09[281]


藤田嗣治
絵画鑑賞は僕の贅沢な趣味のひとつだ

天は二物を与えない
なるほどこの言葉はまさに身に染みる
書くことが僕の才能というのなら…
僕にとって描くことはあえて天から退けられたのであろう
ああ

僕のことなどこの際どうでもいい…

さて日本人画家でこの人をとくれば僕は真っ先に藤田嗣治を挙げる
昨年山王美術館でこの人の作品を観る機会があった

なんとも切ない
そしてなんとも哀しい

従軍画家として戦地に赴き戦後は画壇でその責任を糾弾されたという

日本人特有の手のひら返しである

その後パリに再び渡りそこでフランス国籍を取得
1968年その生涯を閉じる

彼の描いた子供達
「小さな職人達」
僕の大好きな絵だ

日本人は芸術を妬みをもって観る
時に嫉みで妬み
また時に羨望…

芸術とは孤高なるものから生まれ孤高なるものによって評価される

日本人は孤高を知らない

簡単に群れを作りすぐ札束になびく
だから日本では芸術などは育たない

藤田嗣治はそんな日本を離れてよかった
たぶん

日本では芸術だけでなく結局人も育たない
うん
やっぱり本気でそう思う
2014-01-27 11:00:23[280]


小林秀雄
センター試験国語の問題のこと
その出典に小林秀雄とあって僕は思わずすごいと叫んでしまった…
昨年のおよそ今頃のことである

今年に入って間もなく新潮文庫より小林秀雄の対談集が出された…
早速買って読んでみたがなるほどためになる

かつて江藤淳との対談で三島由紀夫の自決を歴史における病気と批判した彼に対して…
日本の歴史を病気というのかと一喝した場面があった
安易な文脈は決して許さない
小林秀雄にはそういう気質が備わっていて時々僕のような堕落者が読むとしばらくしゃんとしていられる

最近は評論を読めない人が増えた
まさに思考の停止という奴だろう

内田樹なんかより小林秀雄を高校生に読ませたらいい

まあ既得権益にまみれた教科書を通してでは無理だろうけれども…
2014-01-23 20:31:00[279]


夢野久作
夢野久作は僕の好きな作家のひとりだ
彼の代表作といえばやはり「ドグラマグラ」ということになるだろう
僕はこの作品を学生時代に読んだ…
「こいつを読むとしばらくは頭がボーっとするぜ」
ある先輩にそう言われて恐る恐る読んだものの…
ボーっとするどころか頭が冴えてどうしようもなくなってしまった
そんな記憶が今も残っている…

実は夢野久作にはもっと興味深い作品がまだまだあるのだ

少女地獄
氷の涯などなど

タイトルは相当マニアックだが推理小説のお手本のような作品が多い

課題図書に推奨したいが…

ちょっと無理だろうな
2014-01-20 11:45:36[278]