『壁の向こうの狂気』(恒文社)西尾幹二著
東欧と西欧
東側と西側
東西冷戦を表すこれらの言葉
そしてベルリンの壁はその象徴だった
壁の崩壊による東西雪解け
それによって東側に向かった自由
東側の戸惑い
強い困惑…
さらに失望
自由も結局はあくまでひとつの体制であることを著者は明確に語る
資料としては一級品だと僕は思う
ベルリンの壁
それがどこにどのようにあったか明確に語れる日本人が現在どれだけいるのだろうか
壁は東西ドイツの国境にあった
そんな詭弁と奇弁を発する愚か者も現にいる
それが若者ならまだ許容できる
中年はどうだろう
団塊はどうだろう
老害はどうだろう
無知は悲劇の象徴に他ならない
自由は体制だ
だから喪失することだってあり得る
その必然を私たちは忘却してはならない
自由を守る
体制を護る
自らそうする
他国から守られるのでも護られるのでもない
今日本は丁度その分岐点にある
現状認識の欠如も無知と同様
本書はそう教えてくれた |