昨年9月のこと
岡山県にあるハンセン病国立療養所長島愛生園を初めて訪問した
正直このことについて記事にするのは随分躊躇いがあった
それはなぜか
それはハンセン病の歴史とそこにあった様々な闘いを今なお僕自身が十分に理解していないからだ
愛生園を訪れたのは決して物見遊山などの理由からではない…
そこに至るまでには実にかなりの数の資料に触れた
初代園長の光田健輔氏の随筆もそのひとつだ
愛生園でひとりの男性職員に彼の評価を尋ねてみた
「医師としては優秀だったと思う。ただ科学者としては決してそうではなかった」
職員はそう応えてくれた
限られた時間での愛生園訪問
そこには目の当たりにはできない深い歴史が今も流れ続けている
歴史は嘘をつかない
たとえ隠蔽を試みたとしても神は全てを知っている
では人間ができることとは何か
それは神の領域に立ち入ることではない
歴史に対して執拗に考察を与えること
そうして未来への適応を志向すること
その結果を丸ごとしかも確実に次世代へと引き継ぐこと
それしかない |