須賀敦子のことはここでも何度も書いたことがある
河出書房刊の全集も手元に揃えた
…
大竹昭子氏の著作
松山巌氏の著作…
その他須賀敦子に関わるものは全て網羅し読破した
それでもその世界は余りに深遠過ぎて終わりがない
須賀敦子に最も惹かれるのはその類まれな文学性だ
そしてその背後に構える信仰についての捉え方になる
抽象的な神への崇敬ではなくそれを現実にどのように活かすべきか
…
活かすことは信仰を基とした具体的な活動に繋がる
それは時に慈善事業でもあり自らの文学を実践することでもある
そもそも盤石な信仰生活など本当にあるのだろうか
僕はないと思う…
信仰とは元々が脆弱故に育まれていくものではないか
須賀敦子はそうした自己分析を徹底的に行った人物だったと思う
須賀敦子を何度も読み直してみる
…
イタリアから日本
日本からイタリア
見方によればそれらは不完全で消化不良な旅路のようにも思える
しかし完全無欠な人生などない
そして完全無欠な信仰もまたない
…
ないからこそ求道を怠らない…
では求道とは何か
須賀敦子を読むことの意義はそれを知ることにある |