『宮沢賢治の真実』
今野勉
新潮文庫
宮沢賢治の世界に陶酔する人多い
…
それは文学なのか
それとも思想か…
はたまた両方か…
賢治の世界を知らない僕には殆ど見当はつかない…
本書は賢治の世界を静かに暴く…
修羅の恋はその最初の扉だろう
そして国柱会入会
思想の形成は具体的になっていく
…
加えて妹とし子の恋とその病…
さらにはその死…
それらもまた賢治の世界に少なからず影響を与えた
これらの事象は決して陶酔者ではない初心者の僕にも興味を強く唆られるところだ…
賢治の世界を伺う別の書籍がある
…
『サガレン』
梯久美子
角川書店
樺太を南北に鉄道により旅する…
賢治とロシアを結ぶ線を垣間見る
…
チェーホフという存在もまたそのひとつになり得る
本書はその点を紀行的に追って丁寧に読み手を導く
そこでやはりチェーホフを読みたくなるというのは読書の広がりとしては良いことだ
『六号病棟』や『退屈な話』等…
ひとつの世界が新たな別の世界へ
と繋がって行く…
実は繋がりはこれに留まらない
『サガレン』はまた林芙美子にもしっかり繋がる…
しかもまたチェーホフは村上春樹にも繋がっている
何と愉快で不思議なことだろう…
だから読書は止められないのだ… |